日記経伝

自分の日記を自分で解説するブログ。

いつかくる、中公新書のなだれ

中公新書の目録をしらみつぶしに見、気になった本を購入した。1700番代あたりまでは電子書籍があまり存在しない。

 

 年始といえば、安売りです。新春大乱売。人生において買うべきものは本以外にありませんので、本を買いました。冊子体の本が年始に乱売される例は知る限りありませんので、今回もいつものBookWalkerです。このストアでは、昨年12月中に14周年をむかえたなどで50%還元セールをしており、それと比較して新春セールの還元率は40%とわずかに控えめでしたが、当の50%還元の機会には特に何も購入していなかった*1ので、10%分の後悔がつきまとう買い物になりました。

 今回の購入は全て中公新書であり、ジャンルとしては近・現代史が多くなりました。中公新書の刊行物で近世以前の歴史物は、既にめぼしいところをだいたい購入した後であるため、どうしても現代により近い領域の書籍を買うことになります。また、今回の購入分には政治学はじめ社会科学系の書籍が多かったような気がします。社会科学は全く専門外の分野なので、数冊さわってみた感触では、内容を十全に理解するには時間のかかりそうな印象です。電子書籍で所有している以上いつでも読めるので、時間のかかるのは問題ではありませんし、単純に知見の広がる恩恵が内容の理解・不理解以上に大きいと思われるのでまあいいです。5冊程度ずつの購入を都合8回ほど繰り返し、今回のセールでは最終的に42冊を購入しています。丁寧に読めば、半年ほどは楽しめるのではないでしょうか。これが2万円ほどで購入できるのですから、すさまじい安売りです。

 今回は、これまでのセールの反省をいかし、NDLのデータを利用してスプレッドシート上に書籍目録を作成したうえで臨みました。各出版社の公式サイトの刊行物一覧を利用してもよいですが、それらはあまり網羅性のあるものではなく、検索の利便性もよいとはいいがたいので、各々ローカルの環境に表を作っておくと実際のところ便利だと思います。なにより、刊行物を出版年順に並び替えてしらみつぶしに確認出来るのがよく、とりあえず全ての刊行物をチェックしたという安心感が得られるのが利点です。また、出版物というのはなんとなく同時代性があるもので、ジャンルやテーマの似た本は、だいたい同じくらいの時期にまとまって出版されているようにみえます*2。表をながめ、好ましいと思える本があれば、その近くのセルにも好みの本がある可能性は結構高いです。そういった点でも、目録があるとよいと思います。

 その目録なのですが、私の場合は中公新書においては刊行1200番代あたりに好みのピークが来ている感じがあります。そうなれば、その近辺にある本をまとめ買いしたいところですが、残念ながら電子書籍が存在しない場合が多くなってきます。1200番といえば1994年の出版なので、電子版のないのは仕方がないでしょう。だいたいこのような状況が1700番代以前のものに共通して存在します*3。これが意外にも厄介なところで、ゆうに1000冊は超えるであろう本が、今後自宅の本棚を圧迫する可能性を示唆しています。なぜなら、私はこのレーベルの刊行物を全て遡って読もうとしているためです。

 中公新書の名著とよばれる書籍にはかなり古くに出版されたものがあります。中古価格が高騰していなければAmazonなどから購入してもいいのですが、一千云番という番号からお分かりのとおり、まじめに買いそろえていくと蔵書スペースがいくらあっても足りませんし、このレーベルのためだけに提供できる生活空間はさほど大きくありません。結局のところ、蔵書の中では学術書や一次資料の類が一番幅を利かせていますので……。いずれにせよ電子化が待たれます。

 こういう、本の電子化にまつわる権利関係のあれこれ等は詳しくないので何とも語り得ぬところですが、電子書籍ストア側に「電子化してほしい書籍のリクエスト」ページがあることも多いので、そういった場所に逐一要望を送るなどするとよいのかもしれません。これが正式のリクエスト方法かといえば、まわりくどいような気もしますが、出版社側のサイトに要望ページがあるわけでもないので……いいのかな。どうなんでしょうか。何とぞしてお掛け合いに申し候段以上。

 

今後ともよしなに。

*1:なぜかといえば、ビューアのフォントに秀英体が選べるなどの理由でhontoに浮気していたためです。

*2:事実上の叢書として刊行されている場合などは、その点が顕著です。

*3:この記事を書きながら確認したところ、当の1200番である『李卓吾』は電子書籍が存在しました。ものによっては絶版せずに電子版が散在している場合もあるようです。